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ニンニクの化学

ニンニクは古くから人々を魅了してきた植物で、今なお多くの科学者を虜にしています。この魅力ある植物をちょっとだけ化学してみましょう。

生ニンニクは表(五訂日本食品標準成分表より引用)に示した成分等の他に、特徴的な非栄養性機能物質と呼ばれる成分を含んでいます。傷ついていない生のニンニクは、ほとんどニンニク特有の臭いがしませんが、切ったり潰したりすると臭いを発します。また、ニンニクにはさまざまな薬理効果があることや、加工処理法により化学的成分変化が起こるなどの報告があります。これらには全てニンニクの特徴的な非栄養性機能物質が関っており、「ニンニクの化学」を議論する際、非常に重要な役割を担っているのです。

(可食部100g当り)
  水分(g) 65.1
蛋白質(g) 6.0
脂質(g) 1.3
炭水化物(g) 26.3
灰分(g) 1.3
無機質 ナトリウム(mg) 9
カリウム(mg) 530
ビタミン B1(mg) 0.19
B6(mg) 1.5
C(mg) 10
食物繊維 水溶性(g) 3.7
不溶性(g) 2.0

特にニンニクが科学者たちを引きつけてやまないのは、生のニンニクに含まれる限られた数のイオウを含む非栄養性機能物質が、処理により多種多様な化合物に劇的に変換し、さまざまな生物活性を示すことにあります。

傷ついていない生のニンニクはなぜ臭わないのでしょうか?それは、1)臭いの素となる成分に揮発性が無い、2)臭いの素の成分とこれに反応する酵素の存在場所が異なる、という2つの理由によります。ニンニクを切ったり潰したりするとこれらが混ざり合い、酵素の反応によって臭い成分のひとつであるアリシンと呼ばれるイオウを含む化合物ができます。アリシンは極めて反応性の高い化合物で、多くの臭い成分に変わって行きます。臭い成分は、揮発性と共に脂溶性と呼ばれる油に溶けやすい性質を持っています。

ニンニクからは揮発性や臭いの無い化合物も生成し、その反応に関る成分や酵素もあります。S-アリルシステインは、その代表的な化合物でイオウを含む無臭のアミノ酸です。ニンニクを切ったり、潰したり、漬け込んだりした時、素の成分から酵素の反応によりゆっくりと作られます。S-アリルシステインは、揮発性はなく親水性という水に溶けやすい性質を持っています。

ニンニクには、イオウを含む化合物以外にサポニン、有機セレニウム化合物や多糖類、糖タンパク質などさまざまな特徴的化合物が含まれています。これらニンニクに含まれる化合物は、酵素や化学反応によってさまざまな変化をします。そこで、その変化の特徴を活かした加工処理によってさまざまな調製物が造られています。