今月の健康情報 バックナンバー
食物繊維と健康
by Nobuko Kodaka(湧永製薬 学術・営業薬制部)
便秘解消に効果的と言われる「食物繊維」ですが、 その他にも生活習慣病の予防に役立つなど、私達の健康にとって重要な役割を果たしています。しかし、日本人の食物繊維の摂取量は不足気味です。積極的に摂り 、健康な毎日を目指しましょう!
◆◇食物繊維とは
食物繊維というと「繊維」という言葉から、細い糸のようなスジ 状のものをイメージする方が多いかも知れません。実は、食物繊維には「ネバネバ」するものから、水に溶けて「サラサラ」した状態のものまで、多くの種類があり ます。食物繊維は、大きく分けると水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」があり、 それぞれに違った特徴があります。
◆◇食物繊維のはたらき
食物繊維は、体内には吸収されないことから、「役に立たない食べ物」と認識されている時代がありました。しかし近年、様々な生理作用やその機能性の高さが明らかになり、食物繊維の摂取が重要視されています。
食物繊維は胃や腸内をゆっくりと移動するので腹持ちがよく、お腹がすきにくくなります。 小腸では、食べ物中のブドウ糖の吸収を穏やかにして急な血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールを吸着して体外に排泄し、脂質代謝を助けてくれます。
大腸に達すると、食物繊維は、大腸内の環境を改善する腸内細菌のエサとなり、これらの菌を増やすことが分かっています。さらに、不溶性食物繊維は、便の量を増やす材料となるとともに、大腸の粘膜壁を刺激して、排便を促し便通を整えてくれます。また、有害物質を吸着させて、便と一緒に体の外に排出するため、腸をきれいにして大腸がんのリスクを減らしてくれると言われています。
◆◇最近分かった食物繊維の重要性
食物繊維摂取による健康効果が注目され、様々な研究が行われています。例えば、炎症性の物質を抑えてアレルギーを抑制したり、大腸のバリア機能を高め病原菌からの感染を抑制する、などの報告がされています。さらに、妊婦時に食物繊維をたくさん摂取すると、生まれてくる子どもの肥満、 生活習慣病やアレルギー体質のリスクが減る可能性もあるそうです。
これらの効果は、腸内細菌が食物繊維を食べた時に産生する酪酸、プロピオン酸といった物質が関与しています。これらの物質が不足しないよう、食物繊維を摂取することが大切です。
◆◇どのくらい摂ったらいいの>
食物繊維の摂取を意識的に増やしながら、足りてないと感じる方は、健康補助食品などの利用もお勧めです。
参考)
1)「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」 厚生労働省
2)Glycative Stress Research 20 19,6 3 181 191
3)日経 gooday 2020/8/21
4)食と健康 Lab 太陽化学株式会社
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