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イヤホン難聴
by Masahiro Hirase(湧永製薬 学術・営業薬制部)


音が聞こえにくい、言葉が聞き取りにくい、あるいは全く聞こえない症状を難聴といいます。よく知られている難聴として、加齢とともに症状が進行する加齢性難聴がありますが、ここでは大音量に晒されることによって発症する音響性難聴、その中でも近年増加しているイヤホン難聴について紹介させて頂きます。

◆◇イヤホン難聴について1)◆◇

%A5%A4%A5%E4%A5%DB%A5%F3%C6%F1%C4%B0%A4%CB%A4%C4%A4%A4%A4%C6.PNG 電車の中などでイヤホンやヘッドホン(以下、イヤホン)で音楽を聴いている人を見かけることはありませんか? もしイヤホンを使用して長時間音楽などを聴く習慣がある場合、イヤホン難聴が進行してしまう可能があります。

イヤホン難聴は、大きな音を長期間聴きつづけることで難聴になる音響性難聴の一種で、耳閉感や耳鳴りを伴うこともあります。この難聴は少しずつ進行していくために自覚しにくく、失われた聴覚は戻りません。症状が進行する前に対策する必要があります。


◆◇イヤホン難聴の原因と治療法1)2)◆◇

音は外耳道を経由して鼓膜を振動させ、その振動エネルギーは耳小骨を介して蝸牛内部にある有毛細胞に伝わります。蝸牛に音の振動が伝わると、有毛細胞が揺れて興奮し、音を電気信号へと変換します。これが聴神経を経て脳に到達すると、音が聞こえます。 しかし、大きな音量で音楽などを聴きつづけると、有毛細胞が傷つき、壊れていきます。

正常に働く有毛細胞の減少とともに音を感じとりにくくなり、難聴を引き起こします。音響性難聴は、急性期であれば耳を休ませた上で点滴のステロイド剤や血管拡張薬、ビタミンB12製剤などの薬物療法で改善することがありますが、日常的なイヤホン使用などによる慢性期の場合、壊れてしまった有毛細胞は元に戻らず、治療は困難とされています。
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◆◇増加するイヤホン難聴のリスク3)4)◆◇

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◆◇イヤホン難聴の予防のために◆◇

●有毛細胞を休憩させよう1),5)
人は85dB以上の音に晒された場合、音の大きさと聞いている時間に比例して有毛細胞が傷つき、壊れていきます。聴覚障害にならない安全な音の目安は80dB(例:走行中の電車内で晒される音量)の場合に1週間あたり最大40時間とされています。電車内では周囲の騒音があるためイヤホンの音量を上げてしまうことが多く、その場合は80dBを超える音に耳が晒されている可能性が高いため、注意が必要です。聴覚を守るためには、連続してイヤホンを使用せず休憩をとること、使用は1日1時間以内に制限することなどが推奨されています。(WHO)

●有毛細胞の回復を助けよう2),6)
難聴の増悪因子の一つに血流障害が知られており、内耳の血流が減少することによって有毛細胞が障害を受けている可能性が報告されています。十分な睡眠、適度な運動、バランスの良い食事など、生活習慣を整えて血流改善を心がけて有毛細胞の回復を助けましょう。

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参考) 1)e-ヘルスネット「ヘッドホン難聴」「有毛細胞」
2)平成29年度産業保健調査研究報告書「騒音性難聴に関わるすべての人のためのQ&A」
3)WHO「Deafness and hearing loss」2020.3
4)東京都生活文化局「イヤホンの使用が聴覚に及ぼす影響についての調査結果」
5)WHO,ITU「Safe Listening devices and systems」2019.3
6)内耳への血液循環障害による難聴について, Audiology Japan 44,175〜180,2001



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