今月の健康情報 バックナンバー
めまいの多くは耳が原因、休息やストレス解消でめまいを予防
by Chiemi Suzuki (湧永製薬 学術部)
春は冬の終わりから、いわゆる「木の芽時」と呼ばれる時季。植物は芽吹き、冬眠していた動物は目覚め、活動を始めます。これは人間も同じことですね。冬から春仕様に身体が移行するとき、起きやすい不調の1つとして「めまい」が挙げられます。今回はその「めまい」について紐解いていきましょう。
◆◇“めまい”の原因とは?◇◆
めまいの原因にはいろいろなものがありますが、多くは「耳」の病気が原因となって起こります。右のデータにあるように、耳に原因のあるめまいが全体の6〜7割を占め、脳に原因があるめまいは1割でした。その他にもストレスなどの心因性で起こるめまい、原因不明のめまいがあります。そもそも、耳には、音を聞く働きと体のバランスをとる働きがあります。このうちバランスをとる働きが低下すると、めまいが起きてくることがあるのです。耳の奥にある内耳では、三半規管と耳石器が体のバランスをとる働きをしています。それぞれの働きについて確認しましょう。 |
![]() |
参考:東海大学医学部付属病院耳鼻咽喉科データ
●三半規管・・・
半円の管である半規管が3つ集まった構造をしています。管の中には内リンパ液という液体で満たされています。頭が回転すると、半規管のリンパ液が動いて、神経を刺激することで回転性の運動を感じ取ります。 |
![]() |
●耳石器・・・
三半規管と蝸牛の間に入っている耳石器は、神経の上に細かい毛が生え、その上に耳石というカルシウムの粒が多くついた構造になっています。重力を感じ取るのに加え、体が直線的に動くと耳石が動いて神経が刺激され、直線的な体の動きを感じ取ることができます。 片方の耳に三半規管と2つの耳石器があり、これらのセンサーが体のバランスをとる重要な働きをしています。 このセンサーの働きが悪くなると、バランスをとるための情報が脳にうまく伝わらなくなり、その結果、めまいが起きてしまうのです。 |
![]() |
◆◇耳が原因のめまいは?◇◆
良性発作性頭位めまい症: めまいの原因で最も多い病気です。三半規管が衝撃やカルシウム代謝障害によって剥がれ落ちた耳石で障害され頭を特定の位置に動かした時に回転性めまいが起こります。 メニエール病: 三半規管、耳石器、蝸牛という 内耳にある全てが障害される病気です。回転性のめまいが起り、めまいは10分間から数時間程度続き、それを繰り返すのが特徴で、数年続くこともあります。蝸牛にも障害が起るため、難聴や耳鳴りも起こります。ストレス、疲労、寝不足をきっかけとして発症することがよくあります。 突発性難聴: 強い難聴が突然起こる病気で、めまいを伴うことがあります。めまいの症状はメニエール病と似ていますが、難聴やめまいの発作を繰り返すことはありません。 前庭神経炎: 三半規管や耳石器と脳をつなぐ前庭神経に障害が起こる病気で強いめまいが起こります。大きなめまい発作が起こると、数日間にわたって断続的にめまいが続くことがあります。ただし、大きな発作を繰り返すことはありません。数日間に断続的にめまいが続くことがあり、風邪をひいた後などに発症することがよくあります。 |
参考:きょうの健康2016年3月号
【めまいを予防するためには】 過労を防ぐ:疲れを感じたら無理せず休息を意識して体を休めるようにしましょう。 ストレスを軽減する:趣味など気分転換できる機会を可能な限り多くつくりましょう。 生活リズムを整える:食事や就寝時間を規則正しくし、活動と休息のリズムをつくるように心がけましょう。 有酸素運動を行う:1日30分、2回以上を目安に有酸素運動を行いましょう。 半身浴:ぬるめのお湯で半身浴をし、血流を改善して、体調を整えることが重要です。 |
![]() |
いかがでしたか?健康について、お近くのクスリ屋さんに相談してみませんか?
⇒ こちらから、お近くの日専同のお店が探せます。
湧永製薬は「日専同(日本専門薬局同志会)」を応援しています!