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うつ病は「心の風邪」?いえいえ、「心の骨折」です。

 うつ病は、だれでもかかる可能性がある心の病気です。“病は気から”とよく言いますが、うつ病に限っては、気の持ちようや意思の力だけで治せるものではありません。自分の力で感情や思考をコントロールすることができなくなる病だからです。早く気づいて適切な治療を受ければ、早期回復を望めますし、必要に応じて薬で治すことも有効です。予防と早期回復のために、また、大切な人の回復のサポートのために、うつ病についてきちんと知ることが大切です。

うつ病ってどんな病気?

神経伝達物質が減って起こります

 わたしたちの脳の中には、たくさんの神経伝達物質があります。それが、脳の神経細胞の間を行き来しながら情報をやり取りして、脳や内臓、筋肉の働きをコントロールしています。うつ病の原因は主に、セロトニンとノルアドレナリンという神経伝達物質が減少するために、脳内の情報伝達がスムーズに行われなくなり、思考や感情などがコントロールできなくなって起こると考えられています。

強いストレスや長引くストレスが引き金に

 強度のストレスや長期間続くストレスが、セロトニンやノルアドレナリンを減少させるといわれます。つまり、うつ病は、ストレスが引き金になって起こるのです。
  つらい出来事はもちろん、喜ばしい出来事が引き金になることもあります。新しい緊張やプレッシャーが、場合によってはストレスになることもあるからです。

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うつ病ってどんな症状?

心の症状と体の症状があります

 うつ病の症状には、心にあらわれる症状と体にあらわれる症状とがあります。本人は、体の異変は感じても、心の症状には気がつきにくいものです。
 うつ病は、発見が早いほど回復も早く、軽いうちなら仕事を続けながら通院して回復することもあります。うつ病特有の症状を知って、大切な家族や身近な人の変化にも早めに気づいてあげたいですね。

うつ病の特徴的な自覚症状
心の症状
  • ・ゆううつで気分がすぐれない状態が、
    1か月以上毎日続く
  • ・興味や意欲がなくなる
  • ・思考力や集中力が低下する
  • ・物忘れが急に多くなる
  • ・強い不安感がある
  • ・イライラして落ち着かない
  • ・劣等感が強い
  • ・物事を悲観的に考えてしまう
  • ・自分は生きている価値がないと思う
体の症状
  • ・ぐっすり眠れない
  • ・食事をおいしく食べられず、体重が急激に減る
  • ・ときどきしめつけられる ような頭痛が起こる
  • ・首筋のこりや肩こりがある
  • ・疲れやすい、だるい
  • ・のぼせや立ちくらみ、めまい、耳鳴り、動悸、吐き気や嘔吐、下痢や便秘、微熱などがある
  • ・性欲が減退する・月経異常がある
他人から見た症状
  • ・表情がさえず、元気がない
  • ・身なりがだらしなくなる
  • ・イライラしていて 落ち着きがない
  • ・仕事の能率が 悪くなってきた
  • ・以前はできていた簡単なことができなくなってきた
  • ・お酒の量がとても増えた
  • ・遅刻や早退、欠勤が増えた
  • ・好きなものや関心事に興味を示さなくなった
  • ・休日は一日中起きてこない
間違えないで 「うつ病」と「うつ状態」は別

 「うつ病」とよく混同されるのが「うつ状態」。
健康な人の「うつ状態」は、何かしらの原因から気分がふさいだ状態をいい、「うつ病」とは異なるものです。一時的な「うつ状態」は誰しも日々経験します。「うつ病」にもかかわらず、医師や薬に頼らず気力で回復しようと無理をして取り返しのつかないことになったり、反対に、ただのふさぎ込みをうつ病と思い込んだりといった事態を避けるためにも、「うつ病」と「うつ状態」の見極めが大切です。

うつ病
  • ・うつ状態が数週間以上続く
  • ・原因がはっきりしないこともある
  • ・朝は気分が悪く、夕方になると
    回復してくることが多い
  • ・仕事や家事が手につかなくなり、
    日常生活に支障をきたす
  • ・自殺願望がある
健康な人の「うつ状態」
  • ・うつ状態が数週間以上続くことは少ない
  • ・原因がはっきりしており、
    それが解決すればよくなる
  • ・1日のうちで、決まった気分の変化はみられない
  • ・仕事や家事をしたくないと思うが、
    なんとかこなせる
  • ・自殺願望はあまりない
仮面うつ病って何?

 「仮面うつ病」とは、心の症状が隠れて、体の症状だけが目立つケースをいいます。
  更年期障害や自律神経失調症と診断されたり、気のせいにされることも。本人に自覚がないため、「うつ病」を見過ごして、病院を転々とすることがあります。頑張りすぎず、自分自身の心のシグナルに耳を傾けてあげることも大事です。

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うつ病の受診と治療の基本

まずは内科を主審しましょう

 もしかしてうつ病? と思っても、専門医(精神科、心療内科)を受診するには抵抗がある人もいるでしょう。体の不調は、他の病気が原因ということも考えられますし、まずは内科を受診するとよいでしょう。
 体の異常が認められなければ、内科の主治医が専門の医師を紹介してくれます。主治医の信頼する専門医なら、安心して受診できるのではないでしょうか。

精神科、心療内科ってどんなところ?

 精神科と心療内科は、うつ病を専門に診断、治療するところです。総合病院や大学病院の他に、「○○メンタルクリニック」などの個人病院があります。
  ひと昔前の暗いイメージはなく、近ごろは随分足を運びやすくなりました。受診の様子を他の人に見られないように配慮がなされていたり、ゆっくり落ち着いて話ができるように、ヒーリングミュージックが流れていたりと、工夫しているところもあります。

本人が受診したがらない場合は

 本人がどうしても病院に行きたがらないときは、うつ病は意志の弱さや性格によるものでなく、誰にでもかかる可能性がある病気であること、けっして恥ずかしくないこと、休養と薬の服用で必ず治ること、を根気よく繰り返し穏やかに話しましょう。付き添って病院に行くことで、本人が受診しやすくなることもあります。積極的に同行してあげてください。

休養と薬がうつ病治療の基本です

 うつ病の治療は、心と体を休めることと、場合によっては抗うつ薬の服用も大事です。
  抗うつ薬には、ふさいだ気分を和らげ、気力を取り戻させる効果があります。ただし、脳内で薬の成分が作用しはじめて、薬の効果があらわれるのは、服用を開始して2〜3週間くらいたってからです。それまでは精神的につらい状態が続きますが、とにかくできるだけ心と体を休め、量や回数、時間を守って薬の服用を続けることが大切です。
 妊娠中や、どうしても薬を服用したくないなど、薬を使用できない場合は、他の治療法を行います。

家族のサポートが不可欠です

 うつ病の回復には、家族のサポートが不可欠です。たとえ時間がかかっても必ず回復すること、そのためには休養と(症状によっては)薬の服用も欠かせないこと、このふたつを心にとめておきましょう。
  本人は病気になったことで罪悪感を抱いていますから、うしろめたさを感じさせない配慮も必要です。もちろん、大切な人がうつ病になったからといって、家族が自分を責める必要もないのです。
  以下を参考に、皆で回復を目指しましょう。回復に寄り添うためにも、通院には家族が同行しましょう。

場合によっては入院治療も

 社員寮や社宅住まいなど、きっかけになったストレスが家庭にあるケースなどは、家庭ではゆっくり十分な休養をとれないかも…そんなときは、入院治療という選択肢も有効です。
  入院すれば、本人の様子を見ながら薬の調整をしやすく、薬の効き目があらわれるまでのつらい時期も医師がそばにいる環境なので安心です。特に自殺願望のあるタイプは入院が必要です。

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うつ病と上手に付き合う

回復までに心がけたいことは?

 回復には個人差があり、時間がかかります。一進一退を繰り返しながら回復に向かうことを理解しておきましょう。
  うつ病には、つねに自殺の危険性がひそんでいます。それは病気がさせるもので、本人が望むものではありません。家族は気を配り、本人をひとりにしないことが大切です。

見守りのNGワード&OKわーど

  以下に示した、家族がかけたい言葉・避けたい言葉はあくまでもヒントですが、うつ病の人に寄り添う家族や周囲の人は、このような気持ちでいてあげることが大切です。

予防と再発防止のために

 良くも悪くも生活に大きな変化があったときは、用心して睡眠や休養をたっぷりとりましょう。また、体を動かしたり好きなことに没頭して、気分をリフレッシュすることも大事です。さらに、バランスのよい食事を心がけ、暴飲暴食を避けて体調を整えましょう。「明日できることは明日やろう」など、仕事のがんばりどころに緩急をつけて、自分にかかる負担をなるべく減らすことも必要です。他人と比較せず自分に合った解消法を見つけて、ストレスをため込まないようにしましょう。
  つまり、心と体によい生活を送ることが、うつ病をはねのけ、再発を防ぐいちばんの近道なのです。

濱田先生の写真
監修 濱田 秀伯先生

医学博士。専攻は臨床精神医学、精神病理学。慶應義塾大学医学部卒業。現在は慶應義塾大学病院精神神経科准教授。著書に『うつ病 これで安心』(小学館)、『うつにサヨナラ』(小学館)などがある。

参考文献「うつにサヨナラ」(小学館)

本ページの記事は湧永製薬発行情報誌“大元気 春号”に好評掲載中です。

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