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尿酸値が高い状態が長年続くこと。これが「痛風」になる条件です。急性膵炎と慢性膵炎

飲食の数時間後に、突然はげしい腹痛に襲われる急性膵炎。お酒の飲み過ぎや脂っこいものの食べ過ぎで、膵臓に炎症が起きるのが原因です。重症になると命にかかわることも。慢性化すると、膵臓の大切な働きが失われることもあります。

膵臓ってどこにあるの?

 膵臓は、胃の後ろ側に、胃と背骨にはさまれるようにして左右に長く横たわっています。十二指腸、小腸、大 腸、肝臓、胆のう、脾臓などに囲まれたお腹の奥です。普通、大人で長さ15p前後、厚さ2〜3pぐらい、重さ100g前後の小さな臓器です。
 膵臓には、大きく分けて2つの大切な働きがあります。1つは、炭水化物を分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するトリプシノーゲン、脂肪を分解するリパーゼなどを含む消化液、すなわち「膵液」を作って十二指腸に分泌する働き。もう1つは、血糖値を下げるインスリンや、血糖値を上げるグルカゴンなどのホルモンを分泌して、血糖値を正常に保つ働きです。

 
急性膵炎ってどんな病気?

 膵臓は、膵液という消化液を作って十二指腸に分泌しています。膵臓のなかには膵管と呼ばれる管が走っていて、膵液はその膵管を通って十二指腸に流れてい きます。
 膵液の分泌が多過ぎたり、膵管をスムーズに通ることができず膵臓内に滞ってしまうと、膵液が膵臓内で活性化し、膵臓自体を消化しはじめることがあります。膵臓が健康な状態であればそのようなことが起こらないように安全装置が働くのですが、なんらかの原因でこの安全装置が働かなくなると、膵臓が自分でつくった膵液に溶かされ炎症を引き起こします。これが急性膵炎です。
 急性膵炎にかかる人は年々増えているといわれ、厚生労働省の調べでは2003年の1年間で急性膵炎にかかった人は3万5千人以上。そのうち男性は女性の約2倍と、男性に多くみられる病気です。

 
主な原因は、お酒の飲み過ぎや脂肪分の多い食事の摂り過ぎ
 急性膵炎の原因として多いのは、お酒の飲み過ぎと胆石。特に、男性の場合はアルコールが原因の第1位です。適量以上のお酒を毎日のように、そして長年にわたって飲み続けた人に起こりやすいとされています。また、普段あまりお酒を飲まない人が、急に大量のお酒を飲んだときに起こることもあります。
 一方、女性の場合、胆石が原因の急性膵炎が多いのが特徴です。胆石は、胆のうにたまっている胆汁が石のように固まったもの。それが胆のうから、胆汁と一緒に総胆管を下りてきて十二指腸の乳頭部に詰まると、膵液がスムーズに流れなくなり、急性膵炎を引き起こします。それに拍車をかけるのが、脂肪分の多い食事。
 胆汁は、十二指腸で膵液と混じって、膵液に含まれる消化酵素を活発にする働きをします。脂っこい食事をとると、脂肪を消化するために大量の胆汁が分泌され、胆石が落ちて詰まりやすくなります。膵液も脂肪消化のため大量に分泌されるので、重症の急性膵炎を引き起こしやすくなるのです。
 ちなみに、アルコールや胆石のようにはっきりと原因が特定できないものは「特発性」といいます。これについては、今後の研究が待たれます。
症状は、みぞおちから左脇腹にかけての激痛
 急性膵炎は、みぞおちから左の脇腹にかけて激しい痛みが起きるのが特徴です。膵臓がみぞおちから左の脇腹にかけて横たわっているからです。後ろに突き抜けるように、左側の背中や腰も痛みます。痛みの強さは人それぞれですが、痛みはだんだん強まっていき、寝ても起きてもじっとしていられないほどになります。間 断なく続いて、吐き気や嘔吐、発熱をともなうこともあります。何度かはげしく吐いても、腹痛が自然におさま ることはありません。
 飲食の数時間後に突然、発症することが多いので、夜中に病院にかけこむ人がほとんどです。急性膵炎は、はじめは軽症と思えても急に重症化することがあるので、症状が出たら早めに内科か消化器科を受診することが大切です。激しい腹痛が続く場合は、救急車を呼ぶなどして医療機関で受診してください。
難病に指定されている重症急性膵炎
 急性膵炎には、膵臓が腫れるだけで比較的早く回復する「軽症」と、全身に深刻な影響を与える「重症」の 区別があります。
重症になると、呼吸困難におちいったり意識が薄れることもあります。膵臓だけでなく、心臓や肺、腎臓、肝臓、消化管などに障害を起こす「多臓器不全」に陥り死に至ることもあります。急性膵炎を発症した人の25%がこの「重症急性膵炎」になるとされ、現在でも11%と死亡率は高く集中治療室(ICU)で専門医による治療が必要になります。
 そのため重症急性膵炎は、1991年に厚生省(当時)によって国の難病に指定されました。特に高齢の人や肝 臓、腎臓、肺などに持病を持っている人は重症化しやすいため、受診時に症状が軽く見えても入院して治療を行います。
入院しての早期治療が大切
 膵臓を休ませることが何より大切。入院して絶食し、安静にします。飲食できないので、栄養と水分は点滴で補います。薬による治療を行い、膵臓の消化酵素の働きを抑える「抗酵素薬」、痛みを和らげる「鎮痛薬」、炎症を起こしている部分への細菌感染を防ぐ「抗菌薬」などを点滴で用います。入院治療は、飲食しても痛みが起きなくなるまで続けます。退院後は元通りの生活に戻れます。
 重症の場合、膵臓の一部が失われて機能しなくなるため、インスリンの分泌が減って糖尿病になったり、消化液の分泌が減って消化吸収障害を起こすなど、後遺症が残ることがあります。退院後は、失われた膵臓の機能を補いつつ後遺症のケアを続けます。
慢性膵炎を放っておくと膵臓の機能が失われる
 慢性膵炎は、長年にわたって小さな炎症が膵臓にくり返し起こるために、膵臓が硬く小さくなってしだいに機能が失われていく病気です。食後やお酒を飲んだあとに腹痛をくり返すようなら、早めに医療機関を受診して治療を受けてください。急性膵炎の場合と同じく、アルコールが最も多い原因です。
 慢性膵炎は、病気の進行の程度で「腹痛期」「移行期」「膵機能不全期」の3つに分けられます。移行期に入ると、膵液の分泌が減って痛みが起きにくくなりますが、痛みが軽いからと安心して飲酒を続けているとさらに症状は進みます。発症から10年ぐらいで、膵臓の機能が失われる膵機能不全期に進みます。
 ここまでいく前に、定期的に検査を受けるなどして早めに病気を発見し、適切な治療を受けることが重要です。
膵炎の再発防止と予防は?

 退院後は元の生活に戻られるとはいえ、同じような食事や飲酒を続けていると再発の可能性も。破壊された 膵臓は元に戻りません。くり返すたびに重症化するため再発防止が大切です。
 アルコールが原因ならお酒をやめ、胆石が原因の場合はその治療を受けましょう。中性脂肪が高い高脂血 症の人は急性膵炎が重症化しやすいといわれているため、食生活の改善も重要です。暴飲暴食は、発症のきっ かけになることがあります。
 慢性膵炎は自覚症状がないこともあります。腹痛を感じたときは、胃の検査などの健診を受けてください。 膵炎の予防で最も大切なのは、暴飲暴食を避け、脂肪のとり過ぎに注意して、栄養バランスのとれた規則正 しい食生活を心がけることです。

 
白鳥 敬子先生 監修 白鳥 敬子先生
東京女子医科大学消化器内科学講座主任教授。同消化器病センター長。専門は、消化器内科学、すい臓病学。日本すい臓学会、国際すい臓学会などの理事も務める。著書に『よくわかる最新医学すい臓・胆のう・胆管の病気』(主婦の友社)など。

本ページの記事は湧永製薬発行情報誌“大元気 冬号”に好評掲載中です。

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