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「尿もれ」にもいろいろなタイプがあります。気がかりがあれば受診を

たくさんの女性が尿もれを経験し、尿の悩みを抱えているのに、実際に泌尿器科を受診する人は、50代でみるとわずか1割です。
ひとくちに「尿もれ」といっても、骨盤底筋を鍛えれば治るものから、病院で治療を受ける必要があるものまでさまざまです。どんな尿もれも、専門医の治療を受ければ改善できます。

下の「尿もれセルフチェック」でチェック項目があった人のうち、尿の悩みで生活に支障をきたしている人、これまでのように暮らしや人生を楽しめないと感じている人は、医療機関で受診することを考えましょう。尿のトラブルの背後に、膀胱ガンや尿管結石、膀胱結石などがひそんでいることもあります。

受診科は基本的に泌尿器科ですが、泌尿器科といっても、必ずしもその医師が婦人泌尿器に詳しいとは限らないので、婦人泌尿器に詳しい医師のいる泌尿器科や産婦人科を探して受診するとよいでしょう。

尿もれセルフチェック
尿もれのタイプと主な原因

尿もれの原因はいろいろですが、主なタイプをご紹介します。思い当たるものは?

●腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)
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40、50代でもっとも多いのがこれ。くしゃみをした時、大笑いした時、おならをした時、重い物を持ち上げたり、急に体を動かした時など、お腹にちょっとした圧力がかかったときに尿がもれます。
出産経験者に多い他、腰痛のために常にコルセットをつけている人、ガードルなど下着や衣服でお腹を締めている人、便秘のため排便時にいきむ人なども、腹圧性尿失禁が起きやすいとされます。

●過活動膀胱(かかつどうぼうこう)
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60代以上になると多く見られるようになります。いきなり起こる強い尿意が特徴です。
普通は、膀胱にある程度の尿がたまると、脳が「我慢する」か「尿を出す」かを判断します。脳が「尿を出す」と決めると、膀胱の筋肉が収縮して尿を出します。
しかし、過活動膀胱は自分の意志とは関係なく勝手に膀胱の筋肉が収縮しておしっこが漏れてしまうことがあります。冷たい水に触れたり、水が流れる音が刺激になって、出てしまうこともあります。脳と膀胱がうまく連動しなくなるために起きるのではないかと考えられています。

●骨盤臓器脱(こつばんぞうきだつ)
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60代後半以降の方が主で、膣の出口から膀胱と膣壁がこぶのようにはみ出してしまう「膀胱瘤(ぼうこうりゅう)」がもっとも多い症状です。このほかに、膣の出口から子宮や直腸、小腸などの臓器が膣壁と一緒に出てくるケースもあります。
初期は、膣の中に物があるような違和感があり、膀胱が圧迫されるため、頻尿や尿もれが起こります。進行すると逆に尿が出にくくなることも。長時間立ったままの状態が続いたときに悪化することが多いようです。

●間質性膀胱炎(かんしつせいぼうこうえん)
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普通、膀胱炎は尿道から細菌が侵入して、膀胱に炎症を起こす病気です。間質性膀胱炎の原因は明確ではないものの、膀胱の粘膜の弱さや、膀胱の知覚神経の過敏症などが関係して、炎症を起こすものです。
気候の変化や過労、アルコール、タバコ、カフェイン、刺激物、対人ストレスなどにより症状が悪化したりします。頻尿と、膀胱や下腹部の違和感や痛みが特徴で、悪化すると痛みや不快感が続きます。

尿もれの主な原因は、骨盤にある筋肉の衰え

尿もれにかぎらず、頻尿なども含めた尿トラブルの原因の一番は、骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)の衰えです。骨盤底筋群は、骨盤の底にあって、膀胱や尿道、子宮、直腸などを支えている筋肉です。

この筋肉が、妊娠・出産、あるいは加齢によってゆるんだり、排尿時や重い物を持ち上げる時のいきみで傷ついたりすることで、尿道が開いてしまい尿もれが起きるのです。

骨盤底筋群と呼ばれるいくつもの筋肉が下にあって膀胱などを支えている。この筋肉がゆるんだり傷ついたりして正常に働かなくなると、膀胱や尿道の位置がずれて、尿もれや頻尿などの尿のトラブルを引き起こす。

尿もれをはじめ、尿トラブルの改善と予防のためには、「骨盤底筋体操」がおすすめです。骨盤底筋体操は、医療機関で行う尿もれ治療の基本。医療機関ではこの体操と並行して薬物療法を行います。重症の場合は、テープで尿道を支える手術を行うこともあります。

毎日、骨盤底筋体操をしましょう

骨盤底筋体操は、骨盤にある筋肉「骨盤底筋」を鍛えて、尿道を閉める力を強くするためのエクササイズ。腹圧性尿失禁にも過活動膀胱にも効果的です。

予防をしたい人は、朝・昼・晩ごとに、10回ずつ行いましょう。現在尿もれの悩みがある人は、家事をしながら、仕事中、電車の待ち時間など気づいたら行うようにして1日30〜80回程度を目安に。毎日続けることが大事ですから、無理なく行いましょう。

●骨盤底筋体操
骨盤底筋をまったく動かせない人もいます。動かしている感じがまったくしないという場合は、医療機関を受診して、骨盤底筋の動きをチェックしてもらいましょう。

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テレビを観ながらや、仕事中などにも。
立って行う
(1)
背筋を伸ばして正しい姿勢で立ち、おなかとおしりに手を当てます。膣と肛門をキュッと締めて5つ数えます。
(2)
体の力を抜いてゆるめ、5つ数えます。1、2を10回繰り返します。
座って行う
(1)
背筋を伸ばして、足は肩幅ぐらいに開き、足の裏を床につけて座ります。おなかの力は抜きましょう。膣と肛門をキュッと締めて5つ数えます。
(2)
体の力を抜いてゆるめ、5つ数えます。1、2を10回繰り返します。
膀胱訓練で排尿回数をコントロール

尿もれを心配して早めにトイレに行く習慣のある人は、排尿回数が多いために膀胱が刺激され、さらに過敏になって頻尿になるという悪循環に陥りがちです。

1日排尿回数が、3〜8回になるように、トイレに行きたくなっても我慢して、排尿の回数を減らしましょう。初めは5分程度から、次第に我慢する時間を30分ぐらいまで延ばし、訓練をしましょう。骨盤底筋体操で骨盤底筋を引き締めると、我慢しやすくなります。

慣れるまでに時間がかかる訓練なので、毎日根気よく続けましょう。

●排尿日誌で排尿の間隔を把握する
排尿日誌をつけて、自分の排尿の回数を把握しましょう。膀胱訓練を始める際に、我慢する時間を決める目安になります。また、医療機関で受診する際には持参するとよいでしょう。

例

排尿日誌の例です。このような表を作り、毎日記入をしましょう。
  • 「時間」の部分には、尿もれした時間とトイレに行った時間を記入。
  • 「尿量」は、トイレで出た量が多かったか少なかったかとともに、尿もれしてしまったときの量も記入しましょう。
  • また、そのとき「尿意」があった場合は○、出かける前だから行っておこうなどのように尿意がなくて行った場合は×、尿もれしてしまった場合は△の記号をつけましょう。
男性は前立腺の健診を習慣に

女性の尿道(約4p)に比べ、男性の尿道は長く(約16〜18p)、途中で折れ曲がっているのが特徴です。筋力が強いので、女性のような骨盤底筋の筋力の低下による尿もれはありませんが、加齢で尿道がたるむことにより、折れ曲がった部分に尿が残って排尿後に無意識に尿がたれたりすることがあります。

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また、尿道のまわりを取り囲んでいる前立腺が、加齢によって肥大化する傾向があります。そのため、尿道が狭くなって尿が出にくくなることがあります。この前立腺のガンが、近年急増しています。早期発見・早期治療が肝心です。50歳を過ぎたら、年に一度の健診を受けましょう。

山西 敏朗 先生 監修 関口 由紀 先生

横浜市立大学客員准教授、日本泌尿器科学会専門医、日本東洋医学会専門医、医学博士。横浜元町(神奈川県)の女性医療クリニック・LUNAグループ(女性泌尿器科・女性内科)理事長。平成21年にはLUNA骨盤底トレーニングセンターを開設。
http://www.luna-clinic.jp

本ページの記事は湧永製薬発行情報誌“大元気 夏号”に好評掲載中です。

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