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加齢性難聴

加齢性難聴とは

 年齢を重ねると、音の聞こえが悪くなるのは自然なことで、高齢者で特に原因となる病気がない難聴を「加齢性難聴」といいます。 発症期には個人差がありますが、一般的には50歳代になると小さい音や高い音が聞きにくくなります。70歳代になると多くの人が高い音を聞く聴力が低下し、会話はある程度の大きな声でないと聞き取りにくくなります。
 加齢性難聴の場合、片側の耳だけに起こることはほとんどなく、両方の耳の聞こえが悪くなります。老化に伴い、ゆっくりと進行するため、本人が気づかないうちに聞こえが悪くなっているケースが多く、家族や友人から指摘を受け、病院を受診したという人が大半です。日常生活の中でテレビや会話が聞き取りづらいなどの自覚症状がある場合は早急に専門医に相談しましょう。

症状の原因

 音は外耳道から入って鼓膜を振動させます。その振動が中耳にある耳小骨(じしょうこつ)を介して、内耳にある渦巻き型の蝸牛(かぎゅう)に伝わります。蝸牛の内部に有毛細胞(音を感じるセンサー)があり、それらが刺激を受けて脳へ電気信号を送り、音として聞いています。
 加齢性難聴の場合は、有毛細胞が抜けたりして壊れている、また、音が伝わる経路全体の機能も老化によって低下します。特に神経に関わる部位の働きが悪くなるので、加齢性難聴は感音難聴(※1)に分類されます。
 症状としては、最初は携帯電話の着信、女性や子どもの声などの高い音が聞こえにくくなります。言葉では「1時(いちじ)」や「7時(しちじ)」、「加藤」「佐藤」などが間違いやすく、はっきりと聞き取れなかったり、もごもごとこもって聞こえたりします。
(※1)感音難聴とは、内耳の蝸牛から聴神経、脳までの音の振動を電気信号に変えて伝える経路の障害によっておこる難聴のこと

加齢性難聴の検査方法は

 加齢性難聴は、設備の整った耳鼻咽喉科で検査を受けることが大切です。まずは7つの周波数を聞き、純音(音)がどれくらい聞こえるかを調べる「標準純音聴力検査」と語音(言葉・単語)がどれくらい聞き取れているか調べる「語音明瞭度検査」を行います。さらに問診で日常生活のどのようなときに聞き取りづらいかなど、困った場面を詳しく聞きとり、総合的に判断します。
 加齢性難聴は、老化に伴うものなので薬や手術で治すことはできません。しかし、放置して何もしないと生活の質がどんどん低下していきます。たとえば、聞こえづらいと会話に不自由し、徐々に無口になります。耳から脳に入る情報が減ると脳の活動が低下するため、認知症になりやすく、人と話すのが面倒になるため外出を避けるようになり、うつ状態になることもあります。
 このように加齢性難聴が進行すると二次的な病気につながる可能性があるので注意が必要です。

診断後の対処法

 診断が確定したら、補聴器の利用を検討しましょう。補聴器を使うことに抵抗を感じる人も多いですが、補聴器を活用すると様々な病気やケガの予防にも役立ちますし、人との会話も楽しめるようになります。
 日本耳鼻咽喉科学会が認定する「補聴器相談医」を受診した上で、補聴器調整の設備とスタッフ(認定補聴器技能者)が整っている、認定補聴器専門店の紹介を受けると安心です。認定補聴器技能者は一定水準以上の知識と技能を備えていますので、症状に合わせて補聴器を調整し、個々に合ったものを作ることができます。
 補聴器を使うと、今まで聞こえなかった音が聞こえるようになり、違和感を覚える人もいますが、2〜3か月で慣れてきて聞こえを取り戻すことができます。加齢性難聴は徐々に進行するため、一年に一度は聴力検査を受けることも大切です。
 補聴器は数週間から数か月間貸し出しを受け、使い勝手をしっかりと体験してから購入するほうがよいでしょう。自分が納得できるものを購入し、快適な生活を送るようにしましょう。

神尾 友信(かみお とものぶ)先生

今回答えいただくのは
神尾 友信(かみお とものぶ) 先生

神尾記念病院 院長/日本耳鼻咽喉科学会認定専門医、日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医、医学博士

本ページの記事は湧永製薬発行情報誌“大元気 秋号”に好評掲載中です。

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