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痛風

痛風とはどんな病気ですか

 痛風とは、排せつされずに体の中に残った尿酸が結晶になって関節などに溜まり炎症を起こすことで、突然激しい痛みが起こります。尿酸とは、新陳代謝で生まれる老廃物で、毎日生産されているため、健康な人の体内にもあります。通常は尿や便から排せつされていますが、何らかの異常で作られすぎたり、うまく排せつされなかったりすると、血液のなかに増えてきます。
 このため、痛風が起きる前は血液の尿酸値が高い状態が長く続きます。これを高尿酸血症と言い、治療せずに放置しておくと、ある日突然、足の親ゆびの付け根などの関節が赤く腫れ、猛烈な痛みに襲われます。痛風発作と呼ばれ、足で起こると歩行が困難になるほどです。痛風発作は夜間に起こる事が多く、激しい痛みのあと2〜3時間経つと痛みが起きた場所が赤く腫れます。その後、1週間から10日ほどで痛みは治まり、しばらく経つとまったく症状がなくなります。
 放置しておくと多くの場合1年以内に再発し、発作を繰り返すことで、関節の痛みだけでなく、ほかの疾患を引き起こします。
 痛風は一生つきあっていかなくてはいけない病気です。ただ、適切な治療を受け、生活習慣に気をつけていれば発症を予防し、悪化を防ぐことができます。気になる症状がある場合は、なるべく早く専門医を受診することが大切です。

検査と治療方法

 尿酸値が基準より高いけれど、痛風発作を起こしていない予備軍の人は、血糖や脂質、尿、腎機能、肝機能などを調べ、必要であれば心電図や内臓の超音波検査なども行い、高血圧や糖尿病などの生活習慣病や狭心症などの合併症がないかをチェックします。ない場合は、食事や運動療法、飲酒や喫煙習慣などを見直すための生活指導を行い、必要に応じて薬も処方します。
 痛風発作を起こした人には、血液検査や尿検査に加えて、発作を起こした関節の液を注射で取る検査(関節液検査)を行うこともあります。これは関節液の中の尿酸結晶を調べ、痛風の診断を確定するためです。また、X線検査を行うこともあります。これは、関節の変化がないかを調べ、痛風に似た疾患(偽痛風や変形性関節症)と区別するためです。そこで痛風と診断された場合は、高尿酸血症の産生の増加、排泄の低下のいずれかが原因で起きたかを調べる検査を行います。この検査結果をもとに「尿酸をできにくくする薬」または「尿酸の排せつを促す薬」のどちらで治療を行うかを決定します。
 実際に痛風発作を起こしている人の場合は、発作を抑える薬を使用して痛みをなくし、発作が治まったら痛風の原因である高尿酸血症に対する治療を始めます。
 痛風発作を未然に防ぐ薬もあるので、体調の変化に気づいたら早めに医療機関で検査を受けてください。痛風の症状は特徴的なので、専門知識をもった医師であれば症状や通常の検査結果で十分診断が可能です

痛風が引き起こす疾患について

 血液中の尿酸は腎臓を通して尿として排泄されますが、尿中の尿酸が増えてしまい結晶化して腎臓に溜まると、腎臓の機能が低下します。のどが異常に渇く、トイレが近いなどの症状が現れ、放置しておくと進行し腎臓の機能が失われる腎不全となり、命にかかわることもあります。
 また腎臓で作られた尿は、排せつの時に尿管や膀胱、尿道からなる尿路を通りますが、尿酸が多すぎると結晶化し、尿路に結晶ができ尿路結石を引き起こします。この疾患は痛風患者の多くに見られ、激しい腹痛と血尿が特徴です。
 痛風の原因となる高尿酸血症の状態を放置すると、脳や心臓に重大な合併症を起こすこともあります。痛風にかかるのは 20代以降の男性が多い傾向にあり、尿酸値が高い人は遺伝と環境の両方が関係しています。

普段の生活で心がけたいこと

 最も大切なことは生活習慣の改善です。まずは日々の食事の摂取カロリーを見直しましょう。肥満を解消するだけで尿酸値は下がります。肉や魚の内臓、干物は食べ過ぎないように注意します。毎日、晩酌する人はお酒の量を減らしてください。日本酒なら1合、ビールなら 500ml、ウィスキーなら 60mlまでと覚えておけばいいでしょう。また、中高年になると水分が不足しがちです。1日2リットル以上の水を飲むよう心がけてください。たくさんの尿で尿酸を排せつします。ただし、清涼飲料水は砂糖を含むものが多いので、逆に尿酸値をあげてしまう場合もあります。飲みすぎには十分注意してください。同時に、週に4回程度運動を行いましょう。激しい運動は尿酸値上昇の原因となるため、ウォーキングや水泳などの有酸素運動がおすすめです。運動は肥満やストレス解消にも効果的です。
 ストレスも尿酸値を上昇させる原因になります。真面目で何事も深刻に考えるタイプの人は、自分が認識している以上にストレスをため込んでいる可能性があります。趣味を取り入れて息抜きをしたり、運動や遊びで気分転換するのもいいでしょう。
 痛風は年齢や性別関係なく、誰もがかかる病気です。特徴を知り、早めの対処法をみつけて、健康的な生活を送りましょう。

鎌谷 直之(かまたに なおゆき)先生

今回答えいただくのは
鎌谷 直之(かまたに なおゆき) 先生

公益財団法人痛風財団 理事長/(株)スタージェン 会長/医療人工知能研究所所長

本ページの記事は湧永製薬発行情報誌“大元気 夏号”に好評掲載中です。

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