あなたの元気を未来につなぐ WAKUNAGA

わくわく健康情報館

ホーム >  わくわく健康情報館 > トーク・マイ・セルフプリベンション
トーク・マイ・セルフプリベンション
ハンドボール男子日本代表 ダグル・シグルドソン監督

スポーツの穴を通して世界が見える

さまざまなスポーツに接し、テレビ朝日で多くのアスリートを取材してきた宮嶋泰子さん。日本初の女性スポーツキャスターとして活躍されてきましたが、当初はスポーツの分野に進むとは思っていなかったそうです。
「入社して間もなくの頃、モスクワ五輪に向けた取材でハンガリーの選手にインタビューしたんです。選手たちにトレーニングの内容や食事の話を聞くうちにハンガリーの生活が見えてきた。そのとき、スポーツという穴を通して、世界が見えると気づいたんです」
 この体験が今の宮嶋さんへの活躍につながっていきます。
「女子マラソンの選手をインタビューしたときも、国によって女性アスリートの扱いが異なることを知りました。面白くて、面白くて。どんどんスポーツの世界に魅了されていきました」
 モスクワ大会から夏冬計 19 回のオリンピックを取材。特に印象に残っている選手について伺いました。
「一番面白いと思ったのは、スピードスケートや自転車の選手だった橋本聖子さんです。最初の出会いは1988年のカルガリー冬季オリンピック。当時の女性アスリートの中で、非常に自立した考えの持ち主でした。自分がやりたいからスケートを続けているという強い想い、自分を客観的に見る方法を身につけていました。当時の監督は“聖子は年齢プラス 30 歳だから”とおっしゃっていたほどです(笑)
」  現在はオリ・パラ担当大臣として活躍されていますが、橋本さんの言葉で気に入っている言葉があるそうです。
「JOC(日本オリンピック委員会)の指針としても使われていますが、“人間力なくして、競技力向上なし”という言葉です。長い間多くの選手を取材してきて、私も実感しています。トップアスリートも一人の人間ですから、いろいろな人がいます。どんなに競技が素晴らしくても、人として尊敬できなければだめでしょう(笑)。この一言はそのことを的確に表現していると思います」

私たちの体は食でつくられている

宮嶋さんが取材を始めた1980年代初頭に比べると、今の選手たちは確実に自立に向かっていると感じるそうです。
「以前は競技しかできないという選手が多かったんです。小さい頃からスポーツだけに集中できるという環境で育っていたから。今は違います。人間として社会でどのように生きていくかを考えている選手が多い。引退後の自分、社会の中での自分の立場をよく考えています」
 それが当時からできていたのが橋本さんです、と続けます。
「間近で見てきて、多くのことを学ばせてもらいましたが、その一つに食へのこだわりがあります。橋本さんは自分にどのような栄養が必要なのか、何が足りないのかを考えて食事をしていました。その影響を受けて、私も食事にはとても気を遣うようになりました。栄養士並みに詳しいですよ(笑)」
 夏は何種類もの野菜を入れたスムージー、冬は具沢山のスープが定番。
「アスリートたちを見てきて、やっぱり体は食からつくられているなと思います。ともかくバランスのよい食事を心がけること。日本人女性は鉄分が不足しているので、積極的に摂ってほしいです。薬味も上手に使うことで、多くの栄養素を補うことができますよ」
 足りない栄養素はサプリメントで補うという徹底ぶり。中でも、キヨーレオピン※は海外で購入することが多いそうです。
「カナダでキョーリックというキャプレット(錠剤)を発見してからキャプレット派なんです。ニンニクを手軽に取り入れられるので、毎日飲んでいます」
 あとはよく歩いて、よくしゃべること。平均すると毎日10000歩は歩いているそうです。
「歩き足りないと感じたら一駅分歩くなど、工夫しています。パソコン作業などで座っていることも多いので、それ以外は意図的に動くようにしています」
 宮嶋さんの元気の源は、徹底した食へのこだわりと意識の高さから生まれているようです。
※海外では商品名(KYOLIC)で販売されています。

インタビューではその人の根を掘る

スポーツ選手やコーチのドキュメンタリー制作のほかにも、日本に滞在する難民を対象にしたスポーツイベントを毎年開催したり、女性スポーツ勉強会を実施するなど、スポーツを軸とした活動の場を広げています。番組制作ではディレクター兼リポーターとして、企画から取材、編集までの全工程を一人でこなす宮嶋さんが仕事で大切にしていることとは?
「私がこの仕事を続けているのは、自分で見たり聞いたりしたことを正確に伝えたいという思いがあるからなんです。すべてを一人で行う理由もそこ。そのスポーツの社会的な意義を考えながら、事象を伝えていくことが大切だと思っています。時にはカメラを持って監督の横に座り、試合中の微妙な表情を撮影することもあります。そういう積み重ねが信頼関係につながると思っています」
 番組でも人の気持ちに寄り添い、話を聞いている様子が印象的です。
「以前、シンクロナイズドスイミングの指導者である井村雅代さんに“宮嶋さんは距離の取り方がうまい”と言われたことがあります。これは相手が今どんな状況にいるか、話しかけてもいいかなど、空気を読むのが上手という意味なのですが、私自身大切にしてきたことなので、とてもうれしかったです」
 そして、相手の根を掘るように話を聞いていくそうです。
「インタビューの根本は、その人のことを知りたいという欲求です。だから、この人はどういう根をしているのだろうと考えながら話を聞きます。話しているうちに、内容が全然違う方向に行くこともあります(笑)。でも、それが一番の核心だったりするんですよ。取材のモットーは“目の前にあるおいしいものをいただこう!”です」

いくつになっても“Yes I Can”

最後に今後、挑戦したいことを尋ねました。
「やりたいことはすべてやってきたので、特に具体的な目標はありません。今までもこれからも、社会に伝えたいと思うことがあったら、発信していきます。だから常にアンテナを張っていたいですね」
 人生、後悔したくない。だから年齢に関係なく、やりたいことには挑戦したいと続けます。
「日本の女性、特にシニア層は遠慮がちです。何か頼まれても“いえ、わたしは…”と言って、断っちゃう(笑)。もったいない。ぜひ、やってください。リオのパラリンピックのスローガンに“Yes I Can”というのがあります。私はできるという意味です。自分を信じて、人生を面白がって生きてほしいです」
 好きな言葉は、Where there is a will, there is a way。意志あるところに道は開ける。
 女性として、人として、生き生きと話す姿に元気をいただきました。今後のご活躍、期待しています。

富山県生まれ。1977年テレビ朝日にアナウンサーとして入社。女性初のスポーツニュースキャスターとなり、報道ステーションやBS朝日にてトップランナーのインタビューなどを手がける。2020年2月に一般社団法人カルティベータを立ち上げ代表理事に就任する。

本ページの記事は湧永製薬発行情報誌“大元気 夏号”に好評掲載中です。