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トーク・マイ・セルフプリベンション「健康の秘訣は心と体の声を聴くこと」
歌手・俳優   井上 順

田辺昭知さん率いる『スパイダース』で、明るい歌声と包み込むような笑顔で人気となった歌手で俳優の井上順さん。今でも多くの人から支持される井上さんに元気の源を伺いました。

思い切り駆け抜けた青春時代

写真1 スパイダース解散後、「お世話になりました」のヒット曲を始め、司会者や俳優として活躍する井上順さん。軽快なトークで視聴者を笑わせたり、俳優としていろいろな表情を見せてくれています。いつも明るい笑顔の井上さんが芸能界に入ったのは好奇心旺盛な16歳の時。
 「13歳のときに両親の知り合いのところに遊びに行ったら、別の部屋でギターやピアノ、ドラムなどを演奏している人たちがいて。当時は生で演奏を聞く機会もなかったので、学校が終わってからよく遊びに行くようになったんです。このメンバーが後に "六本木野獣会" と呼ばれる人たちでした」
 その後、バンドで歌を歌うようになり、高校生の時にスパイダースのリーダー田辺昭知さんにスカウトされ、堺正章さんとボーカルを担当。日本を代表するグループサウンズに成長し、そこで7年間を過ごした。
 「あの当時は忙しくて、寝る時間もないくらい。でも、好きなことだったから楽しかった。この世界に入るきっかけを作ってくれた両親に感謝しています」
 井上さんは渋谷区生まれの渋谷育ち。祖父が馬場を経営し、父は馬を診る獣医。3人兄弟の末っ子として、のびのびと自由に育ったそうです。
 「僕が子どもの頃の渋谷は駅前こそ賑やかでしたが、畑などもあって今とはまったく違いました。学校から帰るとそのまま夕方まで泥だらけになって遊んでいましたね。家にいると母親に外に遊びに行きなさいって怒られていましたから(笑)」
 両親と映画に行くことも多く、家に帰ると兄や姉に身振り手振りを交えて映画の内容を解説。
 「その様子を見ていた母が僕にそのような場に行く機会を与えてくれたのでしょうね。本当にラッキーな出会いだったと思います」
 移り変わる渋谷を間近で見てきた井上さん。多くの観光客を迎える日本を代表する街として、渋谷をもっとよくしたいと思うそうです。
 「渋谷には日本の旅行者だけでなく、外国人の方も多く訪れますよね。遊びに来た人たちには安心して楽しんでほしい。今も渋谷は変わりつつありますから、これからどんな街になって行くのか。先が楽しみです」

病気を通して知った人々のぬくもりと優しさ

写真3 長い芸能生活のなかで、井上さんが大切にしていること。それは最初に出演したドラマで森光子さんから言われた2つの言葉。
 「ひとつはセリフを覚えること。もう一つは遅刻しないこと。言われた当時は当たり前のことだと思いましたが、年々自分の心に沁み込んできました。人に迷惑をかけないというのが前提ですが、結局は自分のためです。セリフを覚えていれば、どんな状況でも元に戻すことができるし、遅刻するかもという焦りは事故につながります。スタッフより早く着くことも多いですよ」
 人から見られる仕事である以上、手を抜いてはいけない。同じ仕事などないのだから、一つ一つ真剣に取り組まなければ後悔する、と井上さん。自分へのプレッシャーが緊張感となり、よい仕事へとつながっていると言います。そんな井上さんに変化が訪れたのは50歳代半ばの頃。
 「映画や芝居を観ていても、声が小さくて聞えないということが続いて。周囲の人たちは聞こえているようだし、自分の耳だけが聞こえていないのかもと思い、病院へ行ったんです」
 病名は感音性難聴。名医と言われる専門医にも診てもらったが、結果は変わらない。「治らない」というのが最終診断結果。
 「もう、ショックでしたね。司会の仕事は、相手との軽快なコミュニケーションが必要不可欠。それが聞こえないとなれば、どうなるか。かなり落ち込みました」
 原因は長年歌手として耳を酷使してきたことが大きかった。でも、そこで落ち込んでいても仕方がない。耳の穴に収まる補聴器をつけ、仕事の際は相手に自分の病気を伝えるところから始まる。
 「病気を知ると、みんな僕には大きい声で話しかけてくます。難聴になり、より一層周囲の人々の優しさや親切心を実感するようになりました。今はただ、感謝の言葉しかないですね」

先が楽しみでしょうがない人生の目標は長生きすること

 今でもスリムな体型を維持していますが、20代の頃から毎日20〜30分くらい、自宅で腹筋や腕立て伏せ、タップダンスの練習をしている。毎日決まったことを決まった回数だけ。無理をしないことが、長く続けられる理由といいます。今後の目標について伺うと、
 「今の目標は元気で長生きすること。毎日、今日はどんな出会いがあるかな、楽しいことがあるかなと思って過ごしているから、先が楽しみで仕方がないんです(笑)。仕事ではまだまだやったことのない役がたくさんありますから、どんどん挑戦していきたいですね。この世界は本当に奥が深いです」
 運動と同じくらい長い付き合いになるのが滋養強壮剤。友人に勧められたのがきっかけで飲み始め約40年。毎日、欠かさず飲んでいます。
 「飲まなかったことがないから、体調の変化がわからないけど(笑)。でも風邪で寝込むこともないから、僕の体に合っているのだと思います」
 大事なのは気持ちの持ち方。嫌なことがあったら、一人の時に大きな声で吐きだして、忘れるようにする。
 「嫌なことなんてなかった、なかったって自分に言い聞かせていたら、本当に忘れちゃうんですよ。不思議ですよね。年を重ねた今、思い出すのは楽しかったことばかり。これからもそんな楽しい思い出をたくさん作っていきたいです」
 好きな言葉は "心を尽くして、力を尽くして"。常に前向き、好奇心旺盛でその場に笑いと幸せをもたらす井上さん。これからも多くの人に笑顔と元気を届けてください。

1947年生まれ。東京都渋谷区出身。1966年に「野獣会」に加入し、16歳のときにスパイダースに参加。71年よりソロ活動開始。その後、マルチな才能を発揮して、歌、芝居、ラジオ、舞台、バラエティやトーク番組の司会など幅広いジャンルで活躍中。
NHK・大河ドラマ「真田丸」出演中。
映画「星くず兄弟の新たな伝説」(近日公開)

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