順天堂大学との共同研究契約締結のお知らせ
湧永製薬株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:湧永寛仁、以下、湧永製薬)と順天堂大学(東京都文京区、学長:新井 一)は、2023年2月1日に、「ニンニク含有成分を用いた肺線維症治療の検討」に関する共同研究契約を締結しました。本共同研究は、肺の線維化進行に対する熟成ニンニク抽出液の効果や機序について明らかにすることを目的としています。
<共同研究の背景>
順天堂大学医学部呼吸器内科学講座(主任教授:髙橋和久)の加藤元康助教らのグループでは、ニンニク成分に肺線維化の抑制効果があることを培養細胞やモデルマウスで確認し、ニンニク成分の臨床応用研究を進めてきました。特に患者数が多いとされる特発性肺線維症(IPF)および進行性肺線維症 (PPF)は、線維化の不可逆的な進行により呼吸不全をもたらす予後不良の疾患であるため、ニンニク成分が有効な治療薬および治療法に繋がることが期待されています。
湧永製薬で開発された熟成ニンニク抽出液は、約2年間生ニンニクを熟成させることにより生ニンニク特有の不快臭・刺激臭が軽減され、胃粘膜刺激の少ない成分へ変化し安全性が高まることが明らかとなっています。湧永製薬の中央研究所では、熟成ニンニク抽出液の基礎研究を長年進めており、抗炎症作用、肉体疲労改善作用、免疫調整作用、末梢循環改善作用など、様々なエビデンスを見出してきましたが、呼吸器疾患に対する作用は未だ確認されていません。
本共同研究は、こうした湧永製薬の開発シーズと順天堂大学の臨床プラットフォームをマッチングさせた順天堂大学の研究開発支援プログラム「GAUDI :Global Alliance Under the Dynamic Innovation」により実現しました。
<共同研究の概要>
本共同研究は、加藤元康助教を研究代表者とし、同グループが有する肺線維芽細胞を使った肺線維化抑制評価実験ならびにブレオマイシン肺線維症モデルによる動物実験により、熟成ニンニク抽出液および含有成分の肺線維化進行に及ぼす効果や作用機序の解明について、2023年2月から2024年3月までを第一期共同研究として進めます。その後は臨床応用研究への展開を視野に入れています。