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NAD+シリーズ4 NAD+を増やすには

これまでのNADシリーズで、NADは年齢とともに減少し、“長寿たんぱく質”サーチュインとも深く関わることを紹介してきました。では、加齢とともに減ってしまうNAD⁺を増やすことはできるのでしょうか?

 今回は、“NADを保つ・増やす”ために注目されている方法について、紹介していきます。

◆◇NAD+の“材料”を補給する 1)◆◇

NADは体内で作られる成分です。そのため、NADを増やすにはNADの材料となる成分を補給することが大切です。NADの材料としてNMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)とナイアシンという成分が知られていますが、日々の食事から取り入れやすい栄養素はナイアシンです。

ナイアシンとは、「ニコチン酸」と「ニコチンアミド」を総称したビタミンB3のことです。どちらも体内でNAD+へと変換されます。ニコチン酸はいくつかの過程を経てNAD+へと変換されます。一方、ニコチンアミドはNMNという物質に変換された後、さらにNAD+へと変わります。

また、ナイアシンは食事から摂取できるだけでなく、タンパク質に含まれるトリプトファンという成分からも体内で作られます。トリプトファンは肉類や魚類、乳製品に含まれるため、これらをバランスよく食事に取り入れることで、NAD+の材料を補給することができます。

◆◇NADを増やす生活習慣◆◇

NAD+を増やすには、材料となる栄養素を補給するだけでなく、生活習慣の見直しも大切です。NAD+は体内で作られる一方で、さまざまな生命活動に使われます。そのため、NAD+を効率よく作る生活習慣を意識することもポイントです。

★食事

・食習慣での意識 :「腹八分目」で食事を終わらせることは健康長寿につながると昔から言われていますが、NAD+の増加もこれに関係しています。NAD+は適度なカロリー制限によって増加する可能性が報告されています2)。 このことから、食事は満腹まで食べるのではなく、少し控え目を心がけることがNAD+の産生につながる可能性があります。

・腸内環境を整える:腸内細菌の中には、ビタミンを合成する細菌が存在します。NAD+の元となるナイアシンも一部の腸内細菌によって作られるビタミンの1つです3) 腸内細菌が元気に働くためには、そのエサとなる食物繊維が欠かせません。食物繊維は野菜やきのこ、海藻類に多く含まれています。毎日の食事で食物繊維を積極的に摂取し、腸内細菌が活動しやすい環境を整えることが大切です。

★運動

運動もNAD+を増やす方法の一つとして注目されています。55歳以上の高齢者を対象とした研究では、10週間の筋肉トレーニングによって、NAD+を作る酵素を増やし、NAD+量も増えたことが報告されています4)。毎日のウォーキングや筋肉トレーニングなど、無理のない範囲で運動を続けることが大切です。

★NAD+を減らす習慣を避ける

NAD+の消耗につながる習慣を見直すことも、NAD+を維持するのために重要です。激しい運動や喫煙、ストレスは、細胞にダメージを与えます。傷ついた細胞の修復に、NAD+は使われます。また、アルコールを分解する過程でもNAD+は消費されるため、過度な飲酒もNAD+の減少につながります。

◆おわりに◆◇

熟成したニンニクから抽出された注目成分「S1PC」をはじめ、体内の健康長寿に関わるNAD+についての研究が世界中で進められています5)。未来に期待を寄せながら、今、私たちが取り組めることは、日々の食事から必要な栄養を補い、適切な食習慣や適度な運動を心がけることです。その積み重ねが、NAD+の維持につながります。

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<参考文献>

1)Niacin National Institutes of Health, Office of Dietary Supplements.

2)Journal of Japanese Biochemical Society 89(4):555-558 (2017)

3)腸内細菌学会HP

4)Lamb et al., Aging(Albany NY).2020May 5;12(10):9447-9460.

5)Cell Metab.2026 Jun 2;38(6):1218-1228.e10.

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