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Talk my self-prevention トーク・マイ・セルフプリベンション

セルフプリベンションとは、自己予防という意味。自らの手で、自分のできる範囲で、身体によいことを行うことです。このコーナーでは、著名人が実践している、そんな転ばぬ先の身近な健康法をご紹介いたします。

工藤 公康

人との出会いがすべて支えに恵まれた野球人生

 ピッチャーとして西武ライオンズ、福岡ダイエーホークス、読売ジャイアンツ、横浜ベイスターズの4球団でプレーし、14度のリーグ優勝、11度の日本一に貢献した工藤公康さん。2015年から福岡ソフトバンクホークスで監督を務め、7年間で5度の日本一へと導き“優勝請負人”と呼ばれるようになりました。
「自分から優勝請負人なんて名乗ったことはありません(笑)。野球は一人ではできません。チームに恵まれ、周りの支えがあったからこそ、ここまで野球人生を続けてこられたのだと思います」
 人との出会いに恵まれてきたと語る工藤さんにとって、西武入団後の“野球留学”は大きな転機となりました。渡米し、マイナーリーグでプレーした経験が意識を変えるきっかけになったといいます。
「アメリカでは自分の甘さを痛感しました。日本とはまったく違う厳しい環境に身を置いたことで、野球への向き合い方が変わったんです。帰国後、当時のコーチ宮田征典さん(故人)と猛特訓を重ね、フォームを見直して球速を約10キロ上げることができました。それを評価してもらい、先発ピッチャーを任されるようになりました」

ケガと向き合い、支えに気づく日々

 輝かしい活躍の裏で、長い現役生活は病気やケガとの戦いでもありました。そんな時、支えになったのは周囲の人との出会いでした。
「20代半ばに肝臓を壊しました。原因はお酒の飲みすぎ。徹夜で飲んで、翌日そのまま登板したこともあり、知らないうちに肝臓がボロボロになっていたんです。そのとき支えてくれたのが妻でした。毎日しじみの味噌汁を作ってくれ、疲れによいと妻に勧められて滋養強壮剤も飲むようになりました。毎朝服用し、練習後の寝る前にも飲んでいました。カプセルに上手く滋養強壮剤が入っていると、ちょっと嬉しいんですよね(笑)」
 健康を取り戻すため、睡眠や食事にも気を配るようになった工藤さんですが、現役を続けるなかで“職業病”ともいえる状態になります。
「投げ続けた結果、肘は途中までしか曲がらず、まっすぐ伸ばすこともできません。現役時代に手術を考えたこともありましたが、先生から“痛みが強いなら手術も選択肢。でも今の肘は工藤君のボールをつくるために骨が変形した結果。手術をすれば今と同じボールは投げられない可能性がある”と説明されて。選択肢を提示してもらえたことで、手術をしないという決断ができました」
 その選択によって、緩急を活かしたストレートとカーブで多くの打者を打ち取る投球スタイルが生まれました。
「今のピッチャーはシンカーやパワーカーブなど多彩な球種を持っていますが、僕はストレートとカーブだけ。今の時代だったら、どの球団にも取ってもらえなかったかもしれませんね(笑)」

科学の視点を取り入れ、選手を見る目を養う

 工藤さんは現役時代から、科学的アプローチを積極的にトレーニングに取り入れてきました。
「野球界に伝わる伝統的なトレーニングに疑問を持っていたんです。肉離れの治療をきっかけに筑波大学の教授と出会い、指導を受けながら独自のメニューで筋力の維持・向上に取り組みました。疑問に思ったことは自分の目と体で確かめたいタイプで、新しい知識を得るのが楽しかったですね」
 選手育成に定評のある工藤さんは、監督時代、選手を“多角的に評価すること”を大切にしていました。
「たとえばファインプレー。一見素晴らしいように見えても、打球への反応が遅いことで結果的にそう見えているだけ、という場合もあります。ピッチャーも球速だけで判断せず、三振や四球の割合など、さまざまな指標を見る必要があります。もちろんデータだけではなく、選手を正しく評価するための自分の“目”を養うことも欠かせません」
 科学やデータの視点を深めるため、工藤さんは監督在任中の2020年に筑波大学大学院で体育学の修士号を取得。2022年からは博士課程に進んでいます。
「論文はなかなか進んでいませんが(笑)、地道に頑張っています」

過去の栄光にとらわれず“今”を生きる

 野球人生で培った知識や経験を活かしながら、工藤さんは常に新しいことを取り入れ、学び続けてきました。その姿勢は、プレッシャーやストレスに負けない強さにもつながっています。
「優勝のかかった試合ではプレッシャーはありましたが、野球は“仕事”。やるのが当たり前という意識でしたね。人よりも倍練習するのが普通で、仕事として割り切れていたからこそ、きつい練習にも耐えられたのかもしれません。新しい練習メニューを取り入れて球速が上がったり、体が強くなるのが面白くて、ストレスを感じることはありませんでした」
 監督業から離れたいま、工藤さんは農業やDIYを楽しんでいます。特に土いじりは心を落ち着かせ、活力を与えてくれる大切な時間になっているそうです。
 座右の銘は「前後際断」。過去も未来も断ち切り、“今”に集中するという意味です。
「現役時代も“この試合が勝負”とその瞬間を大切にしていました。人には捨てるべきプライドと、もち続けるべきプライドがあると思っています。私にとって過去の栄光は捨てるもの。一方で、長く野球を続けてきた自負や、そこで得た知識と経験は、これからの人生の大きな糧です」
 工藤さんの挑戦は、これからも続いていきます。放たれた一球の先には、未来がつながっています。

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プロフィール

工藤 公康

1963年生まれ、愛知県出身。82年名古屋電気高校(現:愛知名電高校)を卒業後、西武ライオンズに入団。以降、福岡ダイエーホークス、読売ジャイアンツなどに在籍し、14度のリーグ優勝、11度の日本一に輝く。福岡ソフトバンクホークスの監督として日本シリーズを5度制覇する。

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