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NAD+シリーズ2 なぜ歳をとるとNAD+が減るの?

若々しさの維持や健康に関与している物質NAD。前回(シリーズ1)は、NADとは何か、についてご紹介しました。生命維持に欠かせないNADですが、加齢とともに減少していくことが分かっています。今回は、なぜ歳をとるとNADは減少してしまうのか、について解説します。

NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)は、生命活動に不可欠な物質(酵素の働きを助ける物質)で、地球上の生き物の細胞内に存在しています。一般的に、加齢とともに減少し、60代になると30代の約半分以下まで低下するといわれています1)(下図)。

◆◇歳をとるとNADはなぜ減るの?◆◇

歳を取ると体内のNADが減るのは、主に「消費の増大」と「つくる力の衰え」という2つの大きな原因が重なるために起こります。

●炎症による消費の増大2)

老化が進むと、体内で「慢性炎症」が起こりやすくなります。この炎症に反応して、免疫細胞にある酵素「CD38」が急増します。CD38は活性化する際にエネルギーとしてNADを激しく消費する性質を持っています。老化で増えすぎたCD38が、体内の大事なNADを無駄に消費してしまうため、NAD+濃度が低下してしまうのです。

●DNA修復による消費の増大2)

加齢とともに、細胞の設計図であるDNAの傷が増えていきます。この修理を担う「PARP(パープ)」という酵素があります。PARPはDNAを修理するたびに大量のNADを燃料として消費してしまいます。

●再合成能力の低下3)

私たちの体には、使い終わったNADを再利用するリサイクル機能が備わっています。その中心的な役割を担うのが「NAMPT(ナムピーティー)」という酵素です。しかし、このNAMPTも加齢とともに減っていきます。その結果、リサイクルの効率が落ち、たとえ体の中に材料があっても、新しいNADを十分に再生できなくなってしまうのです。

◆◇NADが減ると、どうなるの?4)◆◇

NADは、エネルギー産生やDNA修復を支える重要な役割を担っているため、不足すると身体のさまざまな機能が低下します。

●エネルギー産生への影響: NADは、細胞のエネルギーを産生する過程において重要な役割を担っています。NADが不足してしまうと、細胞内でエネルギーが効率良く作られなくなります。すると、脳や筋肉を動かす燃料が不足してしまい倦怠感やだるさが生じてしまいます。

●老化防止への影響: NADは、DNA修復や活性酸素の除去などを担う「サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)」を活性化させる役割があります。NADが枯渇すると、細胞修復等が滞り、ダメージ(エラー)が蓄積。これが細胞の老化や、将来的な生活習慣病(糖尿病など)など、大きな要因になることがわかっています。

◆◇NADを維持するために◆◇

NADを減らさない、または補うためには、生活習慣の改善と意識的な栄養摂取が重要とされています。日々の生活の中で「運動」「質の高い睡眠」「バランスの良い食事」を意識することで、NADを維持することが期待できます。

ナイアシンは、まぐろ、カツオ、鶏肉、アボガド、アーモンドなどに多く含まれています。

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<参考文献>

1)massudi Het.al.PLoS One.2021;7(7):e42357

2)小林香料 4つの作用

3)Yoshida, M, Imai, S. et al. Cell Metab. 2019 Aug 6;30(2):329-342

4)日本経済新聞、NIKKEI STYLE 2021/2/1

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